JTB総合研究所アメリカ人旅行者の日本旅行に関する志向調査 その3

2019/03/13

株式会社JTB総合研究所

 

4.    無意識下では、幼いころから見慣れた情景や常識を離れた“異国情緒”や“異文化”に魅かれる

アンケートの結果は意識下での好ましさの判断ですが、無意識下である脳波の反応では、どのような画像が好まし いと捉えられるのでしょうか。今回の調査では、アメリカ人と似た反応を示すと考えられる欧州も加えた欧米系、および、そ

の比較対象としてアジア系(日本人も含む)の対象者から評価を得ました。その結果、欧米系、アジア系両方に反応が良かった画像は「焼物(陶器)」でした。また、アジア系の対象者の特徴としては、比較的鮮やかな色彩の画像において、良  い反応が見られました。逆に低い評価だった画像の特徴としては、欧米系は「カヌー」、「サイクリング」、「バルーン」、アジ    ア系は「祭り」、「神社仏閣」、「倉の街並み」など、自国に古くからある文化に似た画像で反応が低い傾向がみられました。

 

 

一方、提示された画像に関し、100 点満点で点数をつける主観評価の結果では、欧米系は「温泉」や「七ツ釜」、「棚田」などの自然景観が上位となりました。これは、同じ意識下の判断であるアメリカ人へのアンケートと同様の傾向です。なお、アジア系の対象者からは脳波でも反応が良かった「バルーン」や「サイクリング」など鮮やかな色彩の画像と「温泉」が選ばれました。また、欧米系、アジア系共に、脳波の評価と同様、日常の中にあるもの(食器や電車など)の画像や、地味な色合いのものは低評価となりました。ただし、欧米系は、イカの刺身については、逆にあまりにも自分たちの常識から離れていすぎるためか、嫌悪感をおぼえる人も見られました(図 20)。

脳波と主観の結果を比べてみると、意識下の評価では、単純に見慣れない画像に魅かれる傾向ですが、無意識下の評価には、自身のルーツや自国の文化、風土に根差した本質的な好みの違いがありそうです。

本調査では、欧米系とアジア系を比較するために、アメリカ人に加え、欧州も対象者としましたが、アメリカ人へのアンケート調査の結果が一致していることから、アメリカ人と欧米人には似た傾向があると考えられます。

 

5.    欧米系の旅行者は多くのものが映っ いる(情報量が多い)画像を長く見るが、アジア系は好きな画像を長く見る傾向

次に、それぞれの画像を見る時間と、主観的な好ましさの関係をみてみます。欧米系は、画像を見る時間の長さと好ましさにはあまり関連性がなく、画像の中に多くのものが映りこんでいる(情報量が多い)画像をより長く見ている傾向がありま  した。一方、アジア系は比較的、好きな画像を長く見ていました。欧米系の旅行者は、画像についてのコメントでも、何か画像の持つ意味を解釈しようとしている様子がわかりました。多くのものが映っている画像を長く見るのも、画像の意味を理解しようとしているせいかもしれません(図 2122)。

 

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