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海外観光旅行の現状2018(2)

 

3.海外旅行経験者の今後の海外旅行の意向は、ポストミレニアル世代が最も高く、「頻度を増やしたい(46.8%)」、「これからは行きたい(19.8%)」団塊世代は「頻度を減らす」、「今後は行かない」、「既に行かない」、計 50.0%で、海外旅行から卒業・卒業準備

 スクリーニング調査の中で、過去に海外旅行へ行った経験がある人に対し、今後の旅行意向を聞きました。世代別にみると、ちょうど海外旅行に行き始める時期であるポストミレニアル世代で「頻度を増やしたい(46.8%)」、「これからは行きたい(19.8%)」、となり、海外旅行への意向が最も高くなりました。一方、団塊世代は「頻度を減らしていこうと思う(16.6%)」、「行っていたが、今後は行かない(21.5%)」、「行っていない、今後も行かない(11.9%)」合わせて 50.0%、キネマ世代では合わせて 70.9%が卒業・卒業に向かっている結果となりました(図7)

 今後旅行に行く(頻度を増やす、これからは行くと回答した人)と思う人に、その理由を聞いた結果では、「ライフステージの節目があり、自由な時間が増えそう(44.7%)」が最も高く、中でもポスト団塊世代の割合が高くなりました。退職時期を迎え、増えた時間を旅行に充てたいと考える人も多いようです。また、バブル世代、団塊 Jr.世代では、「子育てや介護から手が離れそうなので」の割合も比較的高くなりました。若いころに海外旅行を楽しんだ 4050 代が自由な時間を獲得し、母娘旅行や友人同士の海外旅行へ出かける場合も多いと考えられます(図8)

 今後旅行に行かない(頻度を減らしたい、行かないと回答した人)の理由では、団塊世代、キネマ世代共に「体調不良や体力の衰えを感じるようになったので」が最も高くなりました。また、「旅行の計画や予約が億劫になってきた」も全体と比較すると高く、年齢を重ねるにつれ、海外旅行へ行くことが身体的にも精神的にもしんどくなってきている様子がうかがえます(図9)

 

 

【直近の海外観光旅行(2017 年 1 月以降)の実態】

 

4.直近の海外旅行先は、韓国、中国、台湾が伸びる

 2017 年の調査と 2018 年の調査で、直近の海外旅行先を比較してみると、韓国、中国、台湾など東アジアのシェアが増加しています。LCC の広がりや国際情勢が比較的安定していることなどが後押しし、気軽に国内旅行感覚で行くことができる目的地をライト層が訪れていると言えそうです(図 10、図 11)。

 性年齢別に旅行形態をみると、男性 50 代で「航空券やホテルを別々に予約・購入」の割合が 54.9%と最も高くなりました。出張に出かける経験も多い年代であることから、マイルの利用を意識した予約や購入も多いのかもしれません(図 12)。コア層とライト層別の旅行形態では、コア層ほど個人旅行(「航空券のみを予約・購入」、「航空券やホテルを別々に予約購入」)の割合が高く、ライト層では「スケルトンツアー(送迎あり、なし)」の割合が高くなる傾向がみられました(図 13)。

 

 

5.旅行商品の購入・申し込み先は、
「オンライン専門の宿泊・旅行予約サイト 22.0%」、「旅行会社のウェブサイト(20.3%)」
OTAでは、個人旅行(「航空券のみの予約・購入」、「航空券やホテルを別々に予約・購入」)が 61.9%、旅行会社店舗(来店)では、スケルトンツアー(送迎あり、なし)が最も多く、58.9%を占める

 旅行商品の購入・申し込み先を聞いた結果、全体では「オンライン専門の宿泊・旅行予約サイト(22.0%)」が最も高く、「旅行会社のウェブサイト(20.3%)」が 2 位となりました。性年齢別には、過去の調査からも明らかですが、20 代以下の男女で旅行会社の店舗(来店、非来店)を利用する割合が最も高くなっています。一方、旅行会社のウェブサイトを利用しているのは、60 代以上の男女が最も多く、シニア層に旅行会社のウェブサイトの利用が広く浸透していることがわかりました。50 代の女性も旅行会社のウェブサイトの利用が多い結果となりました。40 代男女は個人旅行も多いことから、オンライン専門の宿泊・旅行予約サイト(OTA)の割合が高くなりました(14)。旅行商品の購入・申し込み先別に旅行形態をみると、OTAでは、個人旅行(「航空券のみの予約・購入」、「航空券やホテルを別々に予約・購入」が 61.9%と最も高く、旅行会社店舗(来店)では、スケルトンツアー(送迎あり、なし)が 58.9%で 6 割近くとなりました(図 15)。また、旅行商品の購入・申し込み先別の海外旅行コア層、ライト層の割合では、「ホテルや航空会社の公式サイト」は海外旅行コア層が56.5%、準コア層が 24.8%で、合わせて 8 割を超えました。一方、旅行会社店舗(来店)では、海外旅行ライト層が最も多く、32.7%でした(図 16)。

 

 

6.商品を選んだ理由は「一番安かったので」。ただし 60 代以上になると、「長く利用しているブランド・会社だから」商品の購入は、「旅行商品ブランド<会社ブランド」。ただし 40 代男女は、「商品ブランドも会社名も意識しない」

 前章で述べたとおり、海外旅行商品(航空券、福博、パッケージツアー)の予約・購入手段は既にウェブサイトが主流になっていますが、その内訳は航空券やホテルなど個人旅行の商品が半数を占め、いわゆる旅行会社のパッケージツアー(旅行商品ブランド)は少数派です。最近では、商品を探す際、検索エンジンでキーワード検索や価格比較サイト(メタサーチ)の利用が広がり、価格優先の傾向が強まって、旅行商品ブランドが本来持つ特徴やメリットが伝わりにくい、商品ブランドを意識しなくなったという意見を聞くようになってきました。かつては会社名よりも身近に感じていた人も多いと思われる海外旅行の商品ブランドですが、現在はどのように意識されているのでしょうか。

 まず、直近の旅行で購入した商品に対し、候補となった商品はどうやって見つけたのかを聞きました。全体では航空会社の公式サイトが最も多い結果となりましたが、性年齢別で特徴が分かれ、それぞれの情報接点や情報手段の活用に違いが出たと考えられます。29 代以下の男女は価格比較サイトが多い一方で、店舗での社員の案内、おすすめも他の世代より多い結果となりました。「テレビコマーシャル」、「インターネットで表示されるウェブ広告」、「検索エンジンで直接入力して上位の表示される広告サイト」と広告に最も反応するのは 40 代以下の男性に多い傾向が見られました。また 60 代以上の男女は「よく使う旅行会社のサイト」が最も多くなりました(図 17)。

 購入の決め手となった理由を聞いたところ、全体では「一番安かったので(33.8%)」が最も高い結果となり、特に若い世代の男女に顕著に表れました。逆に 60 歳以上の男女は価格よりも「長年利用している会社、ブランドだから」、「効率よく観光することができるから」が高い結果となりました。また男性はどの世代も一律に「マイルやポイントを貯めている会社の商品だったから」が多く、特に出張が多い年齢である 50 代男性が高くなりました(図 18)。

 旅行商品購入の際に、パッケージツアーなどの商品ブランドとその会社に対する意識を聞いたところ、全体では「商品ブランドも会社名も意識して選んでいる(39.6%)」が最も多く、「会社名は意識しているが、商品ブランドは意識して選んでいない(27.7%)」が続きました。性年齢別ではそれぞれ特徴がみられ、40 代男女は「商品ブランドも会社名も意識しないで選んでいる」が多くなり、また 20 代以下の女性は「会社名は意識しているが、商品ブランドは意識して選んでいない」という結果が最多となりました(図 19)。では旅行商品ブランドはどの程度認知されているのでしょうか。大手旅行会社、航空会社の海外旅行商品ブランドを会社名と結び付けてもらったところ、社名がついていない商品ブランド名は認知度が低い結果となりました(表1)。また若い世代は商品ブランドを意識すると回答している人が多かったにも関わらず、全体的に各商品ブランドの認知度は低い結果でした。他の年代は各ブランドが得意とするターゲットには認知度が高い結果となりました。各商品ブランドのイメージは表2のとおりです。

 

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