年末年始(2017年12月23日~2018年1月3日)の旅行動向

2017/12/05

株式会社ジェイティービー

 

JTBは、年末年始に出発日基準で 12 月 23 日(祝) ~ 1 月 3 日(水)に1泊以上の旅行に出かける人の旅行動向の見通しをまとめました。 この調査は、旅行動向アンケート、経済動向、業界動向や航空会社の予約状況、JTBグループの販売状況などから推計したもので、1969 年に調査を開始して以来、今年で 49 回目となります。調査結果は以下の通りです。

 

* 旅行人数は延べ人数。平均費用は一人 1 回あたりの費用
* 国内旅行人数は宿泊を伴う旅行者の人数(観光および帰省目的の旅行に限る)
* 海外旅行人数は出国者数(業務目的の旅行を含む)
* 国内旅行平均費用は、交通費・宿泊費・土産代・食費等の旅行中の諸費用を含む
* 海外旅行平均費用は、燃油サーチャージ、旅行先での交通費・宿泊費・食費を含む
* 対前年比は小数点第二位以下を四捨五入

 

 

<社会経済環境>

 

1.社会経済環境と消費の基調

このところの日本の景気は緩やかな回復基調が続いています。内閣府は今年 9 月の景気動向指数(CI、2010 年=100)の基調判断で「改善を示している」を 11 か月連続で据え置き、2012 年 12 月から続く景気回復局面は 58 か月連続となり、「いざなぎ景気(1965 年 11 月~70 年 7 月)」を超え たと発表しました(11 月 8 日速報値発表)。上場企業の 2017 年 4~9 月期決算では、前年同期より 売上高も純利益も増えた企業は主要 100 社のうち約 8 割を占め(11 月 17 日 日本経済新聞調査)、またここ 1 か月の株価は、22,000 円台を超えて推移し、為替レートは、対ドル、対ユーロについて は年初以来小幅に変動しています(図1、2)。一方、民間シンクタンク 4 社が公表した 2017 年の冬のボーナスの見通しでは、小幅ながら 3 年ぶりのプラスに転じると予測しています。しかしながら生活者の実感としては、賃金の伸びが鈍く景気回復の実感は薄く、将来への不安から、支出に関しては慎重な態度が当面続くと考えられます。

 

 

 

 

2.今年の年末年始の旅行を取り巻く環境と生活者の旅行意向

今年の年末年始の休暇は、暦通りならば、12 月 30 日(土)から 1 月 3 日(水)の 5 日間です が、仕事納めを 12 月 28 日(木)とするところも多く、またメーカーなどでは 1 月 4 日(木)、5 日(金)を休みにする企業もあります。今年は、クリスマスを含む三連休こそありませんが、10 連休以上の長めの休暇取得も可能な日並びといえるでしょう。

総務省発表の家計調査報告で二人以上の世帯の 1 世帯当たりの消費支出における宿泊料とパッ ク旅行費を見てみると、8 月は、宿泊料は前年同月比▲8.6%、パック旅行費は▲5.7%、9 月は、 同▲14.1%、同▲0.9%、10 月は、同+3.3%、同▲27.7%となっており、毎月の家計においては 旅行に関する費用は節約傾向です。一方で、今年のゴールデンウィークやお盆のピーク時の鉄道や航空機の予約は好調でした。また、JTBが毎年実施している年末年始の旅行に関するアンケートでも、今年の年末年始に「旅行に行く」「たぶん行く」と回答した人は昨年より増加しています。同アンケートの「昨年と今年の年末年始の違い」では、「昨年より休みが取れそうにない」は

4.2%(昨年差▲7.4 ポイント)で、昨年より減少しました。収入に関しては、「昨年より収入が 増えた」は 12.0%(同+2.9 ポイント)で、「昨年より収入が減った」は 8.4%(同▲2.6 ポイント)となっています。また、「昨年よりお金をかけて豪華に過ごす予定」(10.2%)は、「昨年よりお金をかけず質素に過ごす予定」(6.6%)を上回っています(表2)。一方、「今後一年間の旅行支出に対する意向」では、「支出を減らしたい」が昨年より 3 ポイント増加しました(表3)。

今年の年末年始の旅行は、家計の節約傾向は続くものの、昨年より長い休暇が取りやすく、冬のボーナスも増える見込みであることから、この期間に限っては節約度合を少し緩め、休暇を楽しむ傾向と考えられます。

 

 

 

<2017 年~2018 年  年末年始旅行動向予測>

 

(海外旅行)

海外旅行人数は 70.4 万人(前年比+2.8%)、海外旅行平均費用は、206,000 円(前年比▲0.4%) 出発日のピークは、12 月 29 日(金)、30 日(土)。1 月 2 日(火)、3 日(水)の年始発も多い

2017 年の日本人の出国者数は、1 月から 10 月までの累計で対前年比 4.9%増の 1,487 万 8,200 人となり、ほぼ毎月、前年同月を上回って推移しており(日本政府観光局 11 月発表)(図3)、比較的 堅調といえるでしょう。為替レートはほぼ前年並で推移しました。一方、昨年の年末年始は 0 円だった燃油サーチャージが今年の 2 月から復活していますが、2 月以降の海外旅行者数に影響が出ていないことから年末年始の旅行についても影響は少ないとみられます(表4、表5)。

今年の年末年始の海外旅行人数は過去最高の 70.4 万人と初の 70 万人台を超えると予測します。 出発日のピークは、12 月 29 日(金)、30 日(土)と予測しますが、航空券や旅行代金が安くなる年始 の 1 月 2 日(火)、3 日(水)発も多くなっています。方面別の旅行人数予測では、航空座席供給量が減少しているグアム・サイパン以外、全方面でプラスまたは前年並みとなっています。

年末年始の海外旅行人数は 2013 年が過去最高でした。13 年以降為替が円安に転じたことや国際情勢などで減少がつづきましたが、この間、LCC(格安航空会社)の路線の増加やカジュアルなクルーズ船による船旅が日本にも広がり、訪日外国人だけではなく日本人の海外旅行にも選択肢を広げたといえるでしょう。

海外旅行平均費用については、近年LCCの路線の広がりで割安な航空運賃が増えていること、 アジアなど近距離志向が高まっていることや、方面によってはパッケージ旅行の代金が 1 月 2 日頃 から下がり、料金の安い時期を選んで旅行する人も多いとみられることから、206,000 円(前年比▲0.4%)と予測します。

 

 

 

JTBの海外パッケージツアー「ルックJTB」の予約状況を見ると、ハワイやシンガポールなどでは、年末の出発に加えて、1 月 3 日(水)の料金の下がる時期を選んで旅行する人も多そうです。 ヨーロッパ方面は復調し、昨年直行便が就航したスペインなどが人気です。また、9 月に日本航空 が成田空港メルボルン線を開設し、12 月にはカンタス航空が関西空港-シドニー線を増便することもあり、オーストラリア方面の予約も好調です。

 

 

(国内旅行)

国内旅行人数は 2,957 万人(前年比+0.9%) 国内旅行平均費用は 31,900 円(前年比+3.1%) 出発日は 12 月 30 日(土)が多いが 1 月 1 日(祝)発も

当社のアンケートによると、国内旅行の旅行日数は、昨年より 1 泊 2 日が減少し、2 泊 3 日や 3 泊 4 日が増加しています。昨年より少し長めの旅行をする人が増えそうです(表 12)。利用宿泊施設では、「夫や妻の実家」が多く、帰省が多くなりそうです。一方、「ホテル」28.5%(昨年差+4.2 ポイント)、「旅館」15.2%(同+1.0 ポイント)も増加しており、今年は実家以外に泊まる旅行にも期待できそうです(表7)。利用交通機関については、ガソリンの価格が上昇基調ではありますが(図4)、「乗用車」が 69.0%と昨年から 2.1 ポイント増加し、「高速/長距離バス」は 3.2%(昨年差▲4.9 ポイント)、「格安航空会社(LCC)」は 1.3%(同▲0.1 ポイント)となっています。また鉄道は、「JR新幹線」が 16.5%(昨年差+2.3 ポイント)、「JR在来線・私鉄」が 12.0%(同+3.2 ポイント)となっています(表8)。旅行先では、「東北」と回答した人が増えています(表10)。JTBの宿泊予約状況をみると、山深い秘湯や、スノーシューツアーなど冬の屋外アクティビティができる地域が人気で、冬の東北の魅力が広がってきたことが感じられます。

「国内旅行についての考えや気持ち」についてのアンケート結果でも、「泊まってみたい話題の宿泊施設が増えた」や「乗ってみたいと思う観光列車が増えた」と回答した人が多くなりました(図5)。近年は、古民家や歴史的建造物を活用した宿や、豪華なカプセルホテルなど多様な宿泊施設が増え、観光列車もバラエティに富んでいます。このような選択肢の多様化も旅行の需要を活性化させている一因と考えられます。

今年の年末年始は、帰省したり、少し長めの旅行をしたりする人も増えそうであることから、国内旅行人数は 2,957 万人(前年比+0.9%)、国内旅行平均費用は 31,900 円(前年比+3.1%)と予測します。

 

<生活者アンケート調査方法>

調査地点: 全国 200 地点、各層に比例配分

調査実施期間: 2017 年 11 月 2 日~11 月 14 日

調査対象: 全国 15 歳以上 79 歳までの男女個人

サンプル 数: 1,200 名(1 地点 6 名×200 地点)

調査内容: 2017 年 12 月 23 日から 2018 年 1 月 3 日に実施する 1 泊以上の旅行

調査方法: 専属調査員による個別訪問調査(100%回収)

 

<報道関係の方からの問い合わせ先>
JTB広報室 03-5796-5833
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