2017年夏休みの旅行動向

2017/07/04

株式会社ジェイティービー

 

 JTBは、「夏休み(7 15 日~8 31 日)に、1 泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向の見通しをまとめました。
この調査は、1,200 人から回答を得た旅行動向アンケート、経済動向、業界動向や航空会社の予約状況、JTBグループの販売状況などから推計したもので、1969 年に調査を開始して以来、今年で 49 回目となります。
 調査結果は以下のとおりです。

 

<社会経済環境>

 1.社会経済環境と旅行消費の基調

 この1ヵ月間の日経平均株価は、概ね19,000円~20,000円で推移しており、内閣府は6月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「緩やかな回復基調が続いている」に引き上げました。景気判断の上方修正は201612月以来6カ月ぶりです(図1)。有効求人倍率は、5月は前月に比べて0.01ポイント上昇の1.49倍と、バブル期のピーク19907月の1.46倍を上回りました。 ー方、2017年夏季の大手企業のボーナス(一時金・賞与)平均額は、前年比▲4.56% の917906円(69 日日本経済団体連合会発表)となり、2012年以来、5年ぶりに前年を下回っています。総務省家計調査報告の消費支出は、3月は前年同月比▲1.3%、4月は同▲1.4%、5月は同▲0.1%でした。
このようなことから家庭の節約傾向は弱まりながらも続いているとみられます。
 同調査の宿泊料の項目は、3月は前年同月比+16.5%、4月は同+1.8%、5月は同▲8.3%、パック旅行費(海外旅行含む)は、3月は前年同月比+12.3%、4月は同▲7.3%、5月は同+2.5% であり、総じてみれば、旅行についてはプラス方向への動きがみられます。6月に当社が実施した旅行動向アンケートで「今後の旅行支出に対する意向」を聞いたところ 「支出を増やしたい(18.3%)」が前年より3.5ポイント増加し、「支出を減らしたい(24.3%)」は2.9ポイント減少しました。旅行の支出に関しては、積極的な気持ちが強いとみられます(表2)。

 

 

2.この夏の旅行を取り巻く環境と生活者の旅行意向

2017 年の夏は、7 17 日の「海の日」の祝日と 8 11 日の「山の日」の祝日を含む 3 連休が2 回あります。連休に合わせて夏休みをとる人もいれば、企業の夏休みが 8 月 11 日から 10 連休となる人も多くいると考えられます。昨今の働き方改革推進や労働環境の見直しが進められていることから、連続休暇取得への後押しもありそうです。
 今回実施したアンケートで、「今年の夏の生活や旅行について」聞いたところ、収入や支出に関しては、「昨年より収入が減った」と回答した人は 23.3%、「昨年より収入が増えた」と回答した人は 15.2%でした。「先行きがわからないので大きな支出は控えておきたい」は 42.0%という結果でした。夏休みについては、昨年と比べて長さは変わらないと回答した人が 31.1%となりました。(表3)
 景気全体としては回復基調にあり、多くの企業が 3 月期好決算だったにもかかわらず、個人の所得上昇にはあまりつながらず、人々の今後の生活への経済的な不安は続いています。しかしながら、昨年夏より遠方へ旅行したいという回答も 5.3%あり、夏休みには、旅行を楽しみたいという気持ちがみられます。

 

 

<2017 年夏休み旅行動向予測>

1.海外旅行人数は、273 万人(前年比+3.4%)、一人あたりの旅行平均費用は 242,000 円(前年比+11.9%)。 出発日のピークは 8 月 11 日(金)、8 月 12 日(土)

 日本人の年間海外旅行者数は、2012 年の過去最高をピークに減少し続けていましたが、2016 年には前年比+5.6%の 1,711 万人と上昇に転じました。今年 5 月の日本人出国者数(推計値)は前年比+6.6%の 131 万 5000 人で、1 月から 5 月までの平均伸率は 6.7%で推移しています(日本政府観光局(JNTO)6 21 日発表)。この傾向はこの夏休みも続くとみられ、海外旅行に出かける人数は、273 万人(前年比+3.4%)、一人あたりの旅行平均費用は 242,000 円(前年比+ 11.9%)と予測します。
 各国の日本円に対する為替レートは 6 月末現在では 2016 年の同時期に比べると円安傾向で、昨年は 0 円だった燃油サーチャージは 2 月から復活していますが、上昇額は 2012 年以降の推移を見ても大きいとはいえません(表4、表5)。またここ数年でアジアを中心とした国際線LC Cの就航が増えたことから旅行者の価格面での選択肢が増え、海外旅行の後押しとなっていると考えられます。
 海外旅行の行き先は、アジアは前年比+2.0%、ヨーロッパは前年比+8.0%となる見込みです    (表14)。昨年よりも長期連続休暇を取得できる環境にあることから、全体的にヨーロッパや北米などの遠距離の旅行者の伸びが予想され、相対的にアジアのシェアは少し下がると予測します。ヨーロッパは、北欧やドイツ、スペインなどが好調で、建国 150 周年のカナダ、ファミリーで楽 しめるオセアニアも人気が高まっています。
 JTBの海外パッケージツアー「ルックJTB」の予約状況によると、全体的に出発日のピークは、8 11 日(金)8 12 日(土)で、ハワイやオセアニアなどの方面では、7 月末や 8 月末の出発も目立ち、旅行代金が比較的安くなる時期をねらって旅行する様子も見られます。

 

 

2. 国内旅行人数は、7,460 万人(前年比+0.7%)、一人あたりの旅行平均費用は 34,400 円(前年比+2.1%)。出発日のピークは 8 月 11 日(金)~8 月 15 日(火)

 観光庁の宿泊旅行統計調査では、2017 3 月の日本人の延べ宿泊者数は 3,683 万人泊(前年同月比+1.2%)、4 月は 3,182 万人泊(同+0.8%)、5 月は、3,594 万人泊(同+4.1%)でした。夏休み期間も家計を節約する傾向は続くと思われますが 3 連休が 2 回あり、旅行への意向は依然高いことから、国内旅行に出かける人数は、7,460 万人(前年比+0.7%)、一人あたりの旅行平均費用は 34,400 円(前年比+2.1%)と予測します。
 アンケートによれば、「旅行目的」では「帰省・離れて住む家族と過ごす」が 19.8%(前年比+0.4%)と微増です。一方、「テーマパークやレジャー施設」は、13.4%(同+4.1%)と増加しています(表6)。「宿泊施設」については、「ホテル」46.2%(前年比+3.5%)、「旅館」26.4%(同+0.4%)と増加し、「実家・知人宅」は 26.6%(同▲0.7%)と微減です(表7)。「同行者」は、全体では家族連れが 69.3%(同+1.4%)で、そのうち、「子供づれ(中学生まで)」が 34.5%(同+2.6%)と増加、「夫婦のみ」16.5%(同0.6%)は昨年より減少しています(表8)。
 今年は家族とともに宿泊と伴いテーマパークやレジャー施設に出かける旅行が多いと考えられます。「利用交通機関」は、「飛行機」17.3%(前年比+2.8%)が増えており、遠距離の旅行に出かける人も多そうです(表9)。
 「国内旅行先」では、LCCにより路線が拡充した北海道や、新規エリアがオープンしたユニバーサル・スタジオ・ジャパンがある近畿が人気です(表10)。また、列車の旅が話題の九州や北陸も注目されています。
 JTBの国内パッケージツアー「エースJTB」の予約状況によると、出発日ピークは、8 月11 日(金)~8 15 ()となっています。遠距離方面が好調で、ファミリーでリゾートを満喫することができる沖縄本島や離島、九州の離島も人気です。

 

 

<生活者アンケート 調査方法>

調査地点:        全国 200 地点

調査実施期間:  2017 年 6 月 2 日~14 日

調査対象:        全国 15 歳以上 79 歳までの男女個人

サンプル数:      1,200

調査内容:        2017 7 15 日から 8 31 日に実施する1泊以上の旅行

調査方法:   調査員による質問用紙を使った個別訪問調査

 

<報道機関の方からのお問い合わせ先>
JTB広報室
03-5796-5833
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